GEM-Aが彫刻された最古のトルマリンを確認

 

2019年7月にGem-Aのチューター、パット・デイリー(Pat Daly)FGAと、業務部長チャールス・エヴァンズ(Charles Evans)FGA DGAが、ユニークで非常に重要な彫刻されたトルマリンを調査するため、イギリス、オックスフォードにあるアシュモリアン博物館を訪問しました。

Gem-Aは鉱物学の出版社Lithographieの共同創設者であるグロリア・ステブラー(Gloria Staebler)氏の依頼を受けました。この出版社は近々出版する書籍『Rubellite – Tourmaline Rouge』のために彫刻されたトルマリンについて調査をしていました。

この石は宝石学的な検査を受けたことがありませんでしたが、アレキサンダー大王を描いた幅2.4cmのインタリオはトルマリンであると考えられていました。この肖像は質が高く精巧で古代インドの文字が一緒に刻まれていることから、このインタリオは彼が有名なギリシャ王であった紀元前334-323頃のものとされています。

インタリオ―これはベイルートで購入されたことがわかっている―は最後の所有者によって遺贈された1892年より博物館の所蔵品となりました

インタリオ、つまり肖像やデザインを刻んだ装飾用の石または他の硬い素材は紀元前3世紀に人気を博した魅力的な装飾品でした。そして、カーネリアン、アメシスト、ジャスパー、カルセドニーなどが一般的に彫刻に使用されました。

宝石の彫刻には高度な技巧が必要とされるため、インタリオはかなりの富と地位を意味するラグジュアリーなアイテムでした。この試料は比較的サイズが大きいため、裕福な個人が所有していたと考えることができます。

アレキサンダー大王が彫刻されたインタリオ。写真:Charles Evans, Gem-A.

トルマリンは、世界中の多くの場所にあるペグマタイト鉱床で見つかる鉱物の「族」につけられる名前です。トルマリンには幅広い範囲の色がありますが、アシュモリアン博物館のインタリオのような赤色-黄色は非常に珍しいものです。

トルマリンの3つの変種、ドラバイト、ショール、エルバイトのうち、一般的によく知られている宝石を生むのはエルバイトです。いくつかあるエルバイトの種類のうち、最も有名なものは、ルベライト、インディコライト、パライバ、ウォーターメロン・トルマリンです。ディーラーやコレクターの間では命名法に一貫性が乏しく、議論または鑑別における混乱が生じる点に留意する必要があります。

単結晶において、特有のカラー・ゾーニングは不思議にも対照的な色になることがあります。これは結晶の長手方向に沿って、または、横断面で起こります。ウォーターメロン・トルマリンはこの好例で、色は緑色から赤色へ次第に変化します。しかし、調査した石で明確に見られるように、ルベライト・トルマリンは黄色から濃い赤紫色を示すことがあります。トルマリンは他色であるため、その複雑で様々な化学的性質が色を決めます。.

GemmoRaman分光計を使用して行ったデイリーとエヴァンズの観察報告により、石は実際に赤色-黄色のトルマリンであり、装飾品として使用された最古のトルマリンであることを確認しました。そしてこのアシュモリアン博物館における調査は、画期的な宝石学的発見をもたらしました。

この素晴らしい試料によって疑問が生じます。3世紀に彫刻されたトルマリンが確かに存在するならば、他にもこのような石があるのではないか?ということです。

アシュモリアン博物館に収蔵されているアレキサンダー大王が彫刻された赤色-黄色を示すトルマリンのインタリオ。写真:Charles Evans, Gem-A.

 

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